【CLIENT STORIES】DAIDOH FORWARD LTD.
リアル店舗とECサイトの統合により、更なるブランド価値向上へ
主力ブランド「NEWYORKER」などの衣料事業を手掛けるほか、不動産の売買、仲介、賃貸管理など幅広く事業を展開する株式会社ダイドーフォワード様には、2019年より「NEWYOKER」のCRMコンサルティングサービスを導入いただいています。
会員プログラムの改善に取り組まれたことで、リアル店舗とECの顧客情報の一元管理、かつリピーター顧客の増加に繋がったとのこと。50年以上続く「NEWYORKER」の、リアル店舗とECとの統合戦略を担うダイドーフォワードの横田様にお話をお伺いしました。
セールスDiv マーケティング統括部 デジタルマーケティング部 部長
横田 浩之様
50年以上続くブランドのECに対する取り組み
御社の事業概要やブランドの特徴について教えていただけますか?
弊社は主に、基幹ブランドの「NEWYORKER」を中心としたアパレル企業として、百貨店やショッピングセンター、またオンライン店舗などを通して商品を提供しています。
「NEWYORKER」は、スーツやブレザーなどメンズの衣類から始まったブランドですが、現在ではレディースのアイテムも展開しており、50年以上続くブランドとして多くのお客様に支えられています。
やはり「NEWYORKER」が真ん中にある感じですよね。長く続くブランドとして展開する中で、我々のサービスを導入していただいた当時、CRM的な課題はどのようなことがありましたか?
当時抱えていた問題としては、お客様を果たしてしっかり捕まえているんだろうかということです。ブランドとして50年以上続く中、離脱していくお客様もいらっしゃいました。そのような状況から、ここまでの変遷が現在のニーズにフィットしていないんじゃないか、という疑問が浮かんだのです。
さらに、リアル店舗とECサイトを利用されている全てのお客様の情報を一元管理できていない状況だったため、それら全ての情報を網羅し、マネジメントできるシステムを構築する必要があると考えていました。
スマートウィルの、データ分析に終わらない施策実行までを一元化したCRMサポートの魅力
解決に向けた施策の検討を始められたのはいつ頃でしょうか?
実際には3年前くらいです。私がCRMを含むECサイトの担当を任されたタイミングで、リアル店舗とECサイトを統合する方針を作りました。お客様の情報を一元管理できるシステムはもちろん、得られたデータをどのように活用するプログラムがいいのか、二軸で並行して考え始めていました。
そのような中で、外部のCRMのコンサルティングを依頼しようと思ったきっかけは何でしょうか?
以前、ポイントカードを紙から電子化するときに外部のコンサルティングに依頼した経験があり、客観的に把握できるプロにお願いする必要性を感じていました。
コンサルティングを担う会社はいくつもありますが、その中で我々を選んでいただいた理由を教えていただけますか?
一言で言うと、代表の坂本さんに惹かれました。私は坂本さんの著書を拝読しており、弊社のメンバーも坂本さんのセミナーを受けていました。坂本さんの著書や、実際にサービスのご説明をしていただく中で、スマートウィルが取り組まれている実際の案件が弊社で抱えている課題ともリンクするのではないかと考えたのです。
また、CRMのコンサルは、データを元に戦略の方向策定までで終わってしまうケースもありますが、スマートウィルは自社のソリューションを持っています。一緒に成果を出していこうという姿勢が感じ取れました。
会員プログラムのセグメント改善が売り上げ増加につながる
サポートを始めてから、会員プログラムの見直しに取り組みましたね。なぜ会員プログラム自体の見直しを図ったのでしょうか?
ブランドの歴史で築いた上位層のお客様の中に、一定数のファンがいらっしゃるとは把握できていました。ただ、データを分析していくと優良顧客化していくべきゾーンのお客様数の増加が鈍化していることが解りました。
50周年を迎え、60周年とさらにブランドを続けていくためには、まずは新規のお客様を獲得し、優良なファンになっていただく。そこに着手しないと成長が見込めないと感じたことが、プログラム自体の見直しを決めた理由です。
会員プログラムの見直しにあたって実際にどのようなことを実施されたのでしょうか?
データ上、約95%が弊社でいうレギュラー会員、一回限りの購入者が多く、やはりここが一番の課題だと感じました。その方々を二回目以降の購入に結びつけるために、二回目の購入者を一定のランクとして扱い、ステップアップを感じてもらう。それまでのプラチナ、ゴールド、レギュラーという3つのセグメントから、プラチナ、ゴールド、ブロンズ、レギュラーの4つのセグメントに変更することで、囲い込みを図るプログラムへ改変しました。
実際に新しいプログラムを設定するにあたって、工夫された点はありますか?
一回のお買い物で大量に購入されるお客様と、少額でも二回、三回と回数を重ねて購入されるお客様の重要性について議論しました。その結果、二回以上かつ金額を購入される方に着目する方針に決めたことが、セグメントのポイントだと感じています。
なるほど。プロジェクトを進める中で、「NEWYORKER」を象徴する「ハウスタータンチェック」を好んで購入される方についての議論も行いましたね。
はい。そのようなブランドの象徴的なものを購入してくださった人が優良会員になっていくのではないかという仮説を立てました。仮説を基にデータを分析し、どんなお客様を優良顧客とするかを議論できたこともポイントですね。
もうひとつ、リアル店舗かECサイトか、どちらかだけの購入ではなく、弊社のサービス全体を使ってくださるお客様を優良顧客と捉え、双方で購入されたお客様にポイントのレートが上がる仕組みも特徴だと思います。
自社の学びにつながった、付加価値のある専門的な視点
実際にローンチされて一年が経ちましたが、手応えは感じていらっしゃいますか?
コロナ禍もあり数値的な結果が見えづらい部分はあったのですが、ECサイトの売り上げは顕著に成果が得られ、二回以上の購入者の売上が20%伸びました。人数では10%増加。構成比も5%伸びました。これは二回以上の購入というハードルを越えられたのではないかと考えています。
その結果は、社内的には成功として受け止めていらっしゃいますか?
コロナ禍でリアル店舗を縮小し、お客様との接点が減っている中で、ECサイトにおける戦略と噛み合ってきたと捉えています。
月に一度の定例会議で、定例的な分析と個別の分析をレポートさせていただいています。その分析やスマートウィルからの提案の中で、新たな気づきなどはありましたでしょうか?
我々のリクエストに対して都度お答えいただく内容が、付加価値のある分析視点となっています。分析のセグメントの視点や、捉えるべき指標などCRMの専門的な視点は、我々にとって大きな学びとなっています。
ありがとうございます。スマートウィルのサポートも含めた御社の活動は、販売の現場の方々や別の部署の方々にはどのように受け止められているのでしょうか?
まず、データが定期的に進捗管理できるようになったことで、現状把握が数値で管理できることに全員が興味を持ちました。それに対する対応の方針を、社内に提示できるようになったことは大きな変化です。数字としてしっかり現状把握を行い、提示することが社内に対しても重要なことだと感じました。
ブランド価値を再認識し商品開発・サービスのブラッシュアップを
今後の改善ポイントのご要望や、現在の会員プログラムに対しての課題はありますか?
ひとつ目は、毎月分析を行い、プログラムをブラッシュアップしていくことへは継続して取り組みたいです。当初の課題は、引き上げていくべき顧客層への施策にフォーカスしていましたが、次は強固なファン作りを行うロイヤルプログラムにも着手したいです。
ふたつ目は、分析と改善に取り組む中で、自分達自身もブランド価値を再認識しながら商品開発やサービスの改善に繋がるサイクルを生み出したい。CRMをきっかけにブランドの価値向上を図る取り組みを行いたいため、さらにお力添えしていただけたら、と思っています。
ぜひ一緒に取り組んでいきましょう。最後に、今後の展望をお聞かせいただけますか。
「NEWYORKER」は国内で再来年60周年を迎えます。75年、100年と続くブランドであるために、この数年で改めて強い基盤を作ることがベースになります。その中で社員や店舗のメンバー全員が同じ理解をすることがベースになると捉えているため、社内はもちろんリアル店舗のスタッフへの落とし込みを丁寧に行うことで、成長し続けられるブランドにしていきたいという想いが一番強いですね。
今一度、横田さんが我々に期待することはどんなことでしょうか?
スマートウィルさんは、リサーチから分析、そして施策の実行まで取り組まれています。一連の分析から施策まで包括した戦略作りを本当に頼りにしています。
ありがとうございます。御社の中でも「NEWYORKER」以外にも複数のブランドがありますが、今後はブランド横断的な動きにも着手していかれるのでしょうか?
それぞれのブランド強化はもちろんですが、企業価値を上げ、企業自体が強くなり、ブランドが強くなるという循環の礎を築きたいです。
グループ会社でいうと、「ブルックス ブラザーズ」や小田原のショッピングセンター「ダイナシティ」などとともに、グループ全体にシナジーを与え合い、それを発信することで企業価値を上げたいと思います。
小田原のダイナシティとの事業的な関係性はどのようになっているのですか?
ほぼ独立している状態です。元々ディベロッパーの会社のため、小田原の地域やそのお客様にフォーカスしています。「NEWYORKER」はそこにテナントとして入っていますが、ビジネスマン含む全国のお客様に対するブランド展開のため、ターゲットのセグメント方法が異なります。
スマートウィルも今、施設を展開されるクライアント様も少しづつ増えてきています。そういった環境ごとに異なるサポートも行えます。御社の企業価値の向上はもちろん、お客様のご満足につながるよう取り組みたいですね。今後もよろしくお願いいたします。
終わりに
50年以上にわたり、トラディショナルスタイルをベースに時代と共に進化しているNEWYORKER様との対談をお送りしました。
リアル店舗とECサイトの連携など、昨今、事業のDX化について課題を感じている企業様は少なくありません。弊社にご相談いただく時点で企業様自身が感じていた課題解決だけでなく、データ分析によって正しく顧客を理解し新たなインサイトを発見することで、さらなるブランド・企業価値向上に繋がる戦略構築をご支援することが可能です。
当社のコンサルティングサービスについてご興味ございましたら、「お問い合わせ・資料請求」フォームよりご連絡下さい。社員一同お待ちしております。なお、今回の対談は、当社の大切なクライアント様のご厚意により実現したものです。対談内容に関するお問い合わせなどは、全てスマートウィルまでご連絡下さいます様、お願い申し上げます。
※撮影時のみマスクを外しています。