ゴルフ練習場のCRM①「やらなくても良い割引施策」

4月28日は、3回目の弊社の設立記念日です。2010年4月1日から事業をスタートさせていたのですが、登記手続きの関係で日程がずれこんでしまったため、縁起を担いで大安吉日だった4月28日を選びました。翌29日は「昭和の日」の祝日です。いずれはゴールデンウィークを設立記念日で自主的に前倒しし、まだ見ぬ従業員のみんなから喜ばれたいな・・・との考えもありました。
今年は日曜日ですが、設立記念日は休みとの気分にひたりたくて、あえて事務所には出社しないように気をつけます(苦笑)。
暦を見ると、来年の4月28日は飛び石連休中の平日! 来年は休業日にできているでしょうか? 設立以来丸3年間、まったくそんなことに考えが及びませんでした。少しずつそんな考えを巡らせるようになったのは、成長が止まりつつあるのか? それとも周りが見えるようになってきたのか? つねに言霊を意識する私としては、後者だと自分自身に言い聞かせています。

さてGWに突入し、いよいよ本格的なゴルフシーズンの到来です。私も下手の横好きで、ゴルフ歴は長いのですが、途中のブランクも大変長く、ようやく今年に入ってから少しずつ趣味として復活させました。年明け早々には高校時代の同級生と数年ぶりのコースに出かけ、まぁ散々な結果となりました。しかし久しぶりの芝の上は大変心地よく、寒い時期ですが好天に恵まれ、やっぱりゴルフってよいなぁと思ったものです。「これぐらいの気晴らしは積極的にやろう」と思い、最近は一生懸命ゴルフに取り組んでいます。

私のゴルフ談義はさておき、最近自宅近くのゴルフ練習場に通ううちに気がついたことがありました。それを今回はみなさんと共有したいと思います。
ゴルフ練習場には、いくつか顧客囲い込みの仕組みがあります。その最たるものは、その練習場でしか使用できないプリペイドカードの購入でしょう。もしかしたら、囲い込みの意図よりも設備投資の流れの中で導入された色合いのほうが強いかもしれません。プリペイドカードの金額は、概ね1,000円、3,000円、5,000円、10,000円といった具合です。5,000円のカードで6,000円分使用できるなど、購入金額に比例して「おまけ」の金額も増えるパターンが多く見られます。顧客が練習場を選択するポイントは、立地条件が大きなウェイトを占めているはずです。そのため継続的な利用がある程度の前提になると考えると、3,000円や5,000円程度のカードが売れ筋になっているのではないでしょうか。1度の練習で普通2~3カゴ程度打つと考えると(私を基準としています。「自分とは違う」という方はご容赦下さい)、当然、プリペイドカードを使い切ることはできません。顧客の多くは、「残額があるから、次も同じ練習場に出かけよう」と考えるはずです。
それ以外の囲い込みの仕組みとして、ポイントカード等を導入している練習場もあります。例えば利用金額に応じてポイントが蓄積され、特典と交換できるようになっています。これはゴルフ練習場に限った話ではありませんね。世の中には、ありとあらゆる店舗やサービスのポイントカードで溢れています。
このように様々な仕組みが存在しますが、現在ではプリペイドカードやポイントカード運用だけでは、なかなかお客様のロイヤルティは高まらないのが現状でしょう。例えば、もっと近くにきれいで便利で値段が同じというゴルフ練習場ができた場合、プリペイドカードを使い果した顧客の多くは、自然とそちらに通い始めることが想定されます。
ではゴルフ練習場のビジネスモデルを考えた場合、顧客囲い込みに有効な施策は、一体どんなものでしょうか? 私は、そこでの体験の充実こそが最たる施策になるうると思います。具体的に考えてみましょう。練習場の立地を変えることは、かなり困難なことです。しかしフロントスタッフの応対や設備整備状況、価格戦略、メーカーによるクラブ試打会等のイベントやスクール等の充実、混雑回避等、ゴルフ練習場の根源的な価値を向上させる取組は経営上必須で行うべきものです。そして、そのことこそが最優の顧客囲い込み施策になるのです。
実際にいろいろと見て回ると、小手先だけの囲い込み施策をしても効果の上がっていないゴルフ練習場があることにわかりました。もちろん、お得感の醸成等や周辺練習場との差別化も重要なので軽々には結論づけられませんが、やらなくてもよい割引を行っている可能性が大いにあるのです。

今回は、話が長くなりましたので、明日に続きます。