【CLIENT STORIES】HUGO BOSS Vol.2
CRMプログラムの現場浸透・効果の最大化
世界124か国、6100以上の店舗展開をされているプレミアムブランドHUGO BOSS(ヒューゴボス)様には、2018年より当社のCRMコンサルティングサービスを導入いただいています。前回は、日本法人No.2でいらっしゃるイ佐々木様(インシーズンマネジメント/マーケティング&コミュニケーションズ部長)に、本部としてのこれまでの振り返りなどをお話いただきました。
前回の本部インタビュー(Vol.1)
今回は、佐々木様をはじめ本部で構築したCRMプログラムをどのように現場で活用されているのかについて、全国の店舗で売り上げトップを誇るボス ストア 六本木ヒルズのストアマネジャー小崎大輔様とMTM(Made to Measureの略・BOSS独自のフルカスタマイズサービス)スペシャリストの永井啓文様にお話を伺いました。
インタビュアー:株式会社スマートウィル 代表取締役社長 坂本雅志
「優良顧客の定義」の共通言語化
坂本
営業中のお忙しい中お時間をいただきありがとうございます!まずはじめにお聞かせください。
CRMプログラムにより優良顧客の定義が明確になり、全社共通の認識で具体的なディレクションが行えるようになったと思います。店舗側として、具体的にCRMプログラム導入前と比べて幹部の方、スタッフの皆様の意識の変化などはありましたか?
小崎
ありましたね。
導入前は、スタッフそれぞれの肌感覚で「この方はVIPの方、この方は今購入が伸びている方」と決めており、人によって、そのあたりの認識が曖昧でした。。。プログラムを導入してランクを統一できたことで、まずは、お客様の呼び方が会社と現場とで一致しました。もう1点の変化は、「可視化」ですね。お客様にあと何回ご来店いただき、あとどのくらい購入いただければ、ランクが上がるか等の、指標が明確になりました。お一人お一人の顧客様を可視化することが出来るようになったことは、とても大きなことで、スタッフ間の情報共有も極めてやり易くなりました。そうしたことが、より肌理の細かな顧客志向への意識の変化に繋がっていると思います。
坂本
なるほど。それはマネージャー方だけではなく、現場のスタッフの方々も含めての意識変化ですか?
小崎
はい。
それまでは、リピーターもVIPも各個人の定義で区分していましたが、最優良、優良見込みなどの顧客セグメントを明確にし、全員の共通認識とすることで、スタッフもオペレーションしやすくなったかと思います。スタッフ一人ひとりにとっても、自分の顧客様がランクアップすると嬉しいですし、会社で行う顧客様向けイベントなども「~以上」とランクが限定されることもありますので、スタッフもそこを目指す指標になっていますね。あとは、毎月本部よりCRMレポートがタイムリーに送られてきますので、これまで以上に顧客様と向き合う機会が多くなっていますね。
アナログからデータ・ドリブンへの変革による顧客理解の促進
坂本
頻繁に弊社作成の月次店舗別レポートを見ていただいているのですね、ありがとうございます。あのようなレポートがあることによって何か新たな発見などありましたか?
小崎
もちろん、ありますよ!
それまでは、スタッフに付いているお客様中心に、VIPでしたり、最近よく来て頂いているような方しかほぼ見えていなかったのが、レポートを通じて、ワンタイムのお客様なども拾えるようになったことは一番大きな変化です。
例えば、来店頻度、つまり、もうそろそろ期間が空いているのでいらっしゃいそうだなという情報が、データで見れるというのは大きいですね。弊社も含め、このアパレル業界は、今までアナログや肌感覚でやっていましたので、数値になって出るというのは大きいです。
坂本
なるほど、ありがとうございます。永井さんはいかがですか?
永井
そうですね、これまでは、スタッフ個人個人によって、顧客様にご案内するタイミングに個人差があったのですが、レポートの存在により、可視化することができるようになったことで、主観的ではなく、客観的に顧客様を捉えられることができるのが、まずストロングポイントですね。
このお店自体はオープンして長いのですが、今このお店で3年、4年いるスタッフはそんなに多くなくて、最近入ってきたっていうスタッフも少なくないんですよ。私自身も、この業界自体は長いとはいえ、このお店は2年くらいなのです。顧客様の中には、2年、3年お休みされて、またいらっしゃって下さる方々もいらっしゃったりするのですが、そういった顧客様は大半のスタッフにとって、一見のお客さんになってしまっています。
休眠顧客ですとか、ワンタイムもしくはちょっと間が空いた2回、3回のお客様など、なかなかこちらからケアが行き届かなかった方に対して、ダイレクトにアプローチできるようになりました。お客様である限り、購買の多寡にかかわらず全員に丁寧にアプローチすべきかもしれないのですが、それほど我々に余裕がないのも現実です。適時適切な時期に、的確にターゲットすべき顧客を捉え、アクションを起こす、といったこともできるようになりました。それも、CRMレポートのおかげでできていることです。
坂本
ありがとうございます。
店舗におけるオペレーションの変化
坂本
前回本部の佐々木様より、毎月のCRMレポートをご活用頂き、店舗毎に顧客管理に差が出ないようにスタッフ向けのトレーニングを行っているとお伺いしましたが、具体的にどのようなトレーニングを実施しているのでしょうか?
永井
毎月CRMレポートが出ると、その結果を基に、店舗としての方向性やアクションプランを決めています。そこから、直近のご来店の顧客様もしくは担当スタッフが決まっている顧客様とを振り分けて、各スタッフがアクションプランを基にアプローチをかける形を取っています。店舗としての方向性を決め、統一したうえでアクションを起こせるので、それが結果として、トレーニングになっていると思います。
坂本
なるほど。
永井
お客様へのアプローチの経験が少ない、もしくは慣れていないスタッフには、それが自分自身のルーティーンとして落とし込めるので、それが必然的にトレーニングにはなっていると思います。
坂本
いいですね。指標を統一することが、結果としてスタッフの育成につながっているということですね。
店舗スタッフの成功体験
坂本
経験年数が少ない方でも、CRMレポートやターゲットリストがあることによってアプローチがし易くなったということかと思うのですが、実際にそういうアプローチ、アクションを起こしてみた結果、成功体験などございましたら、教えて頂けますか?
小崎
これまで、自社の顧客管理システムだけだとお客様一人ひとりの情報を開いてステイタスを管理するというやり方だったのですが、どうしてもローラー的なやり方になってしまうのですね。。。スマートウィルさんのレポートであれば、一覧でDM、SMS、電話のアプルーバルがそれぞれOKなのか否かが一覧で見ることができますので、SMS、DM、電話をうまく組み合わせてアプローチを行うことで、来店確率がグッと増えました。
そのように来店して頂いた時は正にスマートウィルさんのレポートを使って呼び込みに成功した、ということになりますね。
坂本
なるほど。手前味噌ですが、お役に立てて嬉しく思います。
小崎
こちらこそ!スタッフとしてもそれはツールを使ったアプローチに成功したという自信になりますし、個々の自信が集まればストアとすれば、より強固なものになります。
ウィズコロナ時代のCRM
坂本
最後に、このコロナの状況の中で、実際に客数も減ってらっしゃると思うのですが、そんな中「CRMをやっておいて良かったな」と思うことってありますか?
小崎
この状況の中で、リピーターで前年比の数字を落としていないというのは大きな自信になりますね。
坂本
それは、素晴らしいですね!!
小崎
いかにこのお店がそういう顧客様に支えられてきたかも再認識できましたし、今後これが続くにせよ、続かないにせよ、顧客管理をしっかりしないと、この時代、未来がないと思いますので、リピーターをしっかりと確保しながら、新しい方も入っていただけるようなシステム作りも必要だと思いますね。我々の意識としまして。やはりリピーターの方にいらして頂けるというのは本当に自信になります。全体の数字で見るとまだまだ厳しいことはありますが。。。
坂本
まだまだ大変だとは思いますけど、よろしくお願いします。私共も微力ながら貢献出来ればと思います!
永井
よろしくお願いします!(笑)
小崎
今日も朝11時からスカイプを用いた、トップ10の店舗の店長会があったんですが、やはり『スマートウィル』という単語は、佐々木が発言したのもあるんですが、5、6回出てきていたので。
坂本
光栄です!ありがとうございます!皆さんに嫌われないようにしないといけないですね(笑)